主力離脱のエイバル。乾貴士がレギュラー奪取する条件は「火花」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 乾の強力なライバルになりそうなのが、ラージョ・バジェカーノから移籍してきたポルトガル人サイドアタッカー、べべだろう。べべは昨季、7得点(乾は3得点)を挙げ、26歳で台頭目覚ましい。ライプツィヒ戦では先発するや、いきなり2得点を記録。ミドルシュートの威力と精度は圧巻で、マルカ紙も「得点力を証明した」と高い評価を与えている。

 一方、そのライプツィヒ戦に乾は後半58分から出場。その後、チームは守備が崩壊して3点を献上し、逆転負けを喫した。直接的に彼の責任ではないとは言え、背後を破られてしまった。そしてアディショナルタイムにはべべからの好アシストを受けながら、決定機を空高く打ち上げた。攻撃面で相手を叩けないと、どうしても守備面での非力さが目立ってしまう。

 今季の乾は厳しい生存競争を迫られるに違いない。しかし、それは昨季も同じだった。世界最高峰リーグでは、確約されたポジションなどない。変貌を遂げつつある不安定なチームで、2年目のアドバンテージを生かしてエースの座をつかみ取れるのか――。

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