岡崎慎司は先発で使うべき。開幕戦を落としたレスターの失敗 (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 しかし、この流れも83分の「レオナルド・ウジョア投入」で止まってしまう。長身のアルゼンチン人FWを最前線に置き、パワープレーに打って出たのだ。岡崎の頭上をボールが通り過ぎる展開が続き、レスターは1-2で敗れた。

 ハーフタイムには「たぶん今までで一番怒っていた」(岡崎)というほど、ラニエリ監督は選手に激怒したというが、敗戦を招いたのは、その指揮官だった気がしてならない。得点力に期待してムサを2トップに起用したはずだが、岡崎をスタメンから外したために、チームのバランスは大きく崩れた。チームとして機能しなければ、得点力の高いFWを並べても「宝の持ち腐れ」である。

 夫人の出産で開幕戦を欠場したMFナンパリス・メンディが、今後カンテの穴を埋めるほど活躍する可能性はある。しかし現時点で言えば、「カンテ退団」の打撃は極めて大きいと言わざるを得ない。そして、岡崎を先発から外してバランスが崩れたチームも、ラニエリの目にはどのように映っていたのだろうか。

 日本代表FWは言う。

「監督も、いろいろと試そうとしているところがある。監督、そしてチームも、(この敗戦は)いい機会なんじゃないかと思いました。ただ、ズルズルいかないようにしないと」

 第1節を終えただけに過ぎず、評価を下すのはもちろんまだ早い。しかし、2016-17シーズンが不安の多い幕開けになったことだけは間違いない。

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