岡崎慎司は先発で使うべき。
開幕戦を落としたレスターの失敗

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 昨季のプレミアリーグ王者レスター・シティが、昇格組のハル・シティにまさかの敗戦......と書き始めたいところだが、「敗れるべくして敗れた」印象はどうしても拭えない。ホームのハルが格段によいパフォーマンスを見せたわけではなく、アプローチも試合内容も凡庸だったレスターの敗戦に大きな驚きがなかったからだ。

岡崎慎司がピッチに入るとレスターの攻撃はスムーズになった岡崎慎司がピッチに入るとレスターの攻撃はスムーズになった この試合でクラウディオ・ラニエリ監督がピッチに送り出したのは、FWジェイミー・バーディーと新戦力のFWアーメド・ムサを2トップに据えた4-4-2。昨季のリーグ開幕戦で先発フル出場した岡崎慎司はベンチスタートを命じられ、チェルシーに移籍したMFエンゴロ・カンテの代わりは、クラブ生え抜きのMFアンディ・キングが務めた。

 ところが、このシステムがまったくと言っていいほど機能しなかった。

 その理由は、「カンテ退団の穴をいかに埋めるか」という策がまるで見えないことにある。昨季は前線からプレスをかけ、後方に控えるカンテがボールを奪取することでショートカウンターにつなげた。しかし、マンチェスター・ユナイテッドとのFAコミュニティ・シールド(※)に続いて代役に選ばれたのは、運動量の少ないキング。プレスをかけても中盤でボールを刈り取れず、ズルズルと自陣深くまで攻め込まれた。

※FAコミュニティ・シールド=プレミアリーグの優勝クラブと、FAカップの優勝クラブが対決するスーパーカップ。

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