リーガ2強の夏。チーム作りが順調なのはバルサか? レアルか? (4ページ目)

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko ラファ・ウエルタ●撮影 photo by Rafa Huerta

 マドリードには、別の問題もある。まだ日程が決まっていないものの、レアル・マドリードは未成年の選手の青田買いにより、FIFAから制裁を受ける寸前にあるのだ。つまり、その処分が下れば、一昨年のバルセロナ同様、当面トップチームの選手補強が禁じられ、苦境に陥ることになるのは必須。今夏のレアルの補強は、今季のみに響く問題ではないのである。

 一方、レアルの宿敵・バルサの監督、ルイス・エンリケは、トリデンテ(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール)を抱えているにもかかわらず、「純粋なゴールゲッター」の獲得を望んでいると公言している。バルサは現在、各ポジションにほぼふたりの選手がいる理想的な補強を行なっているのだが、センターフォワードだけはルイス・スアレス以外にいない状態だからだ。

 ブラジル五輪代表FWルアンがOKを出したと言われており、さらにラテンアメリカラインが強化される可能性もある。シーズンは長い。トリデンテの調子が良くても悪くても、ビッグクラブがタイトルを獲得するためには、負傷やスランプといった不確定要素を取り除く必要があるのだ。

 欧州スーパー杯に続き、スペインスーパー杯も行なわれるなど、公式戦がスタートするが、新シーズンに向けての2強のチーム作りは、ここからラストスパートに入る。

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