メディア予想は6位。クロップはリバプールへの低評価を覆せるか (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 もちろん、ピッチに目を移しても、クロップの目指すサッカーは着実に浸透している。今月6日にはウェンブリー・スタジアムで、バルセロナとの強化試合に4−0で勝利した。目立ったのは、「前線からのフォアチェック」と「力強いボール奪取」。ボールを奪ったマネがMFジョーダン・ヘンダーソンにつなげた2点目、中盤から素早くFWディヴォック・オリジにパスを入れた3点目と、いずれも効果的なプレッシングがゴールを呼び込んだ。アタッカー陣も総じてDFラインの背後に抜ける意識が高く、クロップが標榜する「フルスロットルのサッカー」が体現できていた。

 今季のリバプールの懸念は、長いシーズンを戦う上でこのクオリティーをどこまで維持できるか――。1試合あたりの平均走行距離は、ブレンダン・ロジャース前監督時代より延びているが、体力の消耗が激しく、ウィンターブレイクのないプレミアリーグでは息切れを起こしてしまう不安がある。

 実際、昨季もクロップの就任から2ヶ月が経過したころから黒星が増え、当時サンダーランドの監督を務めていたサム・アラダイス(現イングランド代表監督)は、「プレミアリーグがどれほど過酷か、ユルゲンは理解していない。選手たちにハイテンポでプレスをかけ続けるよう指示を出し、『もう10ヤード前に』と要求している。だから、選手たちは疲労困憊だろう。これでは、筋肉系のトラブルも増える」と、クロップのアプローチが失速の引き金になったと指摘していた。

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