UEFAスーパー杯でセビージャ清武弘嗣がフル出場を果たした意味 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Reuters/AFLO

 清武獲得は、昨季までセビージャの監督を務めていたウナイ・エメリ(現PSG監督)時代に決まったことだという。今季、その座に就いたホルヘ・サンパオリ監督(前チリ代表監督)の意志ではない。

 ところが、サンパオリは、清武をUEFAスーパーカップのスタメンで起用した。清武が故障明けで、チームに合流して間もないだというのに、だ。清武がどんな選手か確認したかった。理由を勝手に考えるならばそうなるが、理由がそれだけなら、途中交代もあり得たはずだ。

 清武はプラス30分の延長戦込みのフルタイム出場を果たした。テストにしては長すぎる出場時間だった。

 プレーそのものは、従来像そのままだった。4-3-「3」の「3」の右。4-2-「3」-1の「3」の真ん中。延長に入り退場者が出て10人になった以降は4-「4」-1の「4」の右と、ポジションを微妙に変えたが、どの場においても、そつなくこなした。チームの貴重な潤滑油になっていた。

 だが、相手のレアル・マドリードにとって、怖い存在ではなかった。その昔、セビージャをCSKAの一員として苦しめた本田のような、今にもシュートが飛び出すムードは一切感じさせなかった。

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