プレミア王者レスターが開幕までに解決したい「3つのポイント」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 こうして迎える新シーズン、レスターのポイントはどこにあるのか――。

 ひとつ目は、やはり「カンテ退団の穴」をいかに埋めるか、になる。就任当初のラニエリ監督に、「カンテを獲れ、カンテを獲れ」と呪文のように唱えていたというウォルシュは、その貢献度を冗談っぽく語ったことがあった。氏は言う。

「通常ふたりでセントラルMFを構成するが、我々の場合は3人の選手がプレーしている。(ダニー・)ドリンクウォーターの両脇で、カンテがふたり分の働きをしているからだ」

 タックルとインターセプトでリーグトップの数字を叩き出したカンテは、試合展開を読む力も抜群で、敵の嫌がるところに顔を出してはインターセプトし、素早くショートカウンターにつなげていた。英メディアが「優勝の陰のMVP」と称えるフランス代表MFの存在なくして、プレミアの頂点に立つことはなかっただろう。

 このカンテの後釜として、レスターはモナコ在籍時にラニエリ監督の教え子だったMFナンパリス・メンディを獲得した。守備範囲が広く、粘着質のディフェンスはカンテに通じるところがあるものの、はたして試合展開の速いプレミアリーグでどこまでやれるか。カンテ同様に「マケレレ二世」と呼ばれる24歳のフランス人が、今季のカギを握っている。

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