2016.08.03

コンテ監督の自負
「技術は並でも質の高いサッカーはできる」

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi
  • photo by Getty Images

 いずれにせよ、ポイントは選手一人ひとりの「正確なポジショニング」と、その結果としてもたらされる「味方同士の適正な距離」。これを可能にする「90分間一瞬たりとも途切れない集中力」。そのすべてを、私が率いたイタリア代表は見事に実践してくれた。

 自己犠牲、献身――。言うのは簡単だが、これを高いレベルで継続するのは容易ではない。相手がベルギー、スペイン、ドイツとなればなおさらだ。選手たちの優れた資質なくしてその実現はあり得ない。

――先のユーロで、イタリアはFIFAランキング2位のベルギーとグループリーグで対戦。しかし、結果はスコア(2−0)以上の圧勝。世界屈指の「タレント集団」であるベルギーのどこに弱点を見出していたのでしょうか。

 確かなのは、ベルギー戦がユーロの全5戦の中で最も良い準備ができた試合だったということ。対戦が決まってから試合までの時間が十分にあったお陰でもある。

 選手一人ひとりが持つ技術レベルでベルギーは欧州一。例えばMFエデン・アザール。彼のテクニックは他と明らかに異なる次元にある。今季から私が指揮を執るチェルシーで配下に置けるのはまぎれもない幸運だ。

 つまり、ベルギーのペースに我々が合わせ、テクニック対テクニックの戦いに挑んでいれば間違いなくイタリアは負けていた。したがって、我々はあくまでも組織としてベルギーの優れた才能に立ち向かった。可能な限り高い位置から敵に猛烈なプレスを掛けるよう指示したのは言うまでもない。