中国資本でインテル、モメてる。長友佑都&マンチーニはどうなる? (2ページ目)

  • 利根川 晶子●文 text by Tonegawa Akiko
  • photo by Getty Images

 しかし新首脳陣の考えは違った。彼らは、もっと若い選手を獲得し、長期的なプロジェクトを考えていたのだ。新体制に対するマンチーニの不満が募る中、インテルのサマーキャンプがスタートした。

 もうひとつマンチーニが承服できなかったのは、来年の6月に切れるインテルとマンチーニとの契約を新経営陣が更新しないことだった。まず夏の親善試合で結果を出してから更新したいというのが彼らの言い分だが、正直なところ、蘇寧グループは契約を更新するつもりがあまりないように思える。彼らの頭の中にはすでに次期監督にディエゴ・シメオネを招聘するという構想がはっきりとあるからだ。プライドの高いマンチーニにとっては屈辱だろう。

 このように、すでに両者の関係は破綻しかかっている。だが、では思い切って手を切ってしまえばいいかといえば、そう簡単にはいかない。なぜならどちらも自分からは契約解除を口にしたくないからだ。

 マンチーニは自分から辞任すればイメージに傷が付くし、なにより450万ユーロ(約5億円)という年俸を自ら放棄することになる。同様に新経営陣側も、正当な理由なく監督を解雇すれば、いろいろ合わせて1000万ユーロ近くの違約金を払わなければならない。

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