元レイソル工藤壮人、MLSバンクーバーで「あご骨折」から復活 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AP/AFLO

「身体能力が高い選手が多いです。個で打開するような感じで、とにかく前に行きますね。"そこまで強引に?"と思うところはあります。でも、"一枚 はがせばチャンスなのに、なんで前に行かないの?"という感じなんです。『FWのお前が前を向かないと、後ろの選手も出て行けない』とも言われるから、" まずボールを収めて"と考えていた日本でのプレーとは違ってきていますね」

 工藤は環境に適応し、熾烈なポジション争いを勝ち抜き、トップの定位置をつかんでいる。

  一方、洗礼も受けた。3月末のリーグ戦でPKを取った試合後、規律委員会のビデオ判定により『シミュレーション行為があった』として、後付けで1試合の出 場停止になった。工藤は潔白を訴えたが、MLS1年目の外国人選手には、"フェアプレーを植え付けさせるため"に似たような処分を受けた先例があるらし い。スタメンが確約されていない外国人選手としては、こうした出場停止は逆風である。

 しかし、工藤はその程度の試練は軽々と乗り越えられた。

 5月7日のポートランドとの"カスケディア・ダービー"で、工藤は海外移籍後、初の得点を記録している。2万人以上が入った満員のホームスタジアム、左サイドを抜けて左足でニアを打ち抜いた。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る