ズラタン&モウリーニョ「2つの劇薬」がマンチェスター・Uを変革する (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 そこに現れたのが、勝利とタイトルに強いこだわりを見せるモウリーニョである。「優勝請負人」と呼ばれる彼の実績については、改めて説明するまでもないだろう。「ユナイテッドの監督は誰もがやりたい仕事だが、多くの者がそのチャンスすら掴めない。しかし、私は監督に就任した。自分のキャリアを顧 (かえり)みても、今がこの職を引き受けるのに最適なタイミングだった」と語る53歳の指揮官は、チームのメンタリティを劇的に変えるはずだ。

 そのモウリーニョが、「ズラタンは勝者。サッカーにかける情熱が素晴らしい」と絶賛するイブラヒモビッチをマンチェスター・Uに招き入れたことは、必然の流れだったのかもしれない。イブラヒモビッチは過激な発言と破天荒な行動でトラブルメーカーにもなりかねない"劇薬"だが、過去15年で13回も所属チームをリーグ優勝に導いている「真の勝者」でもある。今のマンチェスター・Uには、強烈なキャラクターと勝利への飽くなき探究心が最高のスパイスになると、モウリー ニョはそう踏んでいるのではないだろうか。「勝つためにマンチェスターへ来た」と豪語する34歳のスウェーデン人も、FWウェイン・ルーニーとともにリーダーシップを発揮することだろう。

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