アーセナル「青田買い」の黒歴史。浅野拓磨のリミットは2年か (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 たとえば、アーセナルの青田買いの成功例として挙げられるのは、MFセスク・ファブレガス(2003年にバルセロナの下部組織から入団)、DFガエル・クリシー(2003年にフランスのカンヌから入団)、MFアブー・ディアビ(2006年にフランスのオーゼールから入団)、あるいはFWニクラス・ベントナー(2004年にデンマークのコペンハーゲンから入団)といった面々だ。

 ディアビこそ入団前にトップリーグをわずかながら経験しているが、いずれも当初は実績などほとんどない若手。しかし、入団してから2年以内にはアーセナルでトップデビューを飾り、その後チームに定着したタレントたちだ。

  つまり例外はあるにせよ、アーセナルの選手として定着できるかどうかは、「2年」というリミットがひとつの目安と見ていいだろう。そこに、「これから2年ほどでさらに成長してくれることを期待している」と公式サイトで浅野についてコメントしたベンゲルの意図が読み取れる。

 とはいえ、青田買 いで入団した若手のなかで彼らのように成功した例は、ほんのひと握りに過ぎない。多くは期待どおりの結果を残せず、そのままレンタル移籍を繰り返し、やがてアーセナルを去っていく......というパターンのほうが圧倒的に多いのが実際のところだ。そして、このパターンですぐに思い浮かぶのは、フランスのFWジェレミー・アリアディエールである。

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