スペインで絶賛の鈴木大輔。「ロシアW杯でプレーするイメージはある」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

「スペインでは練習からして、コンタクトプレーの質と激しさは日本にいたときとは違います。例えば、オランダ人の親を持つスペイン人選手がいるんで すけど、骨格的に肩が張っていて、確実にポストプレーができる。毎日毎日、こんなのとぶつかり合っていたら、それは球際も強くなるなぁと。それも含め、日 本にいたときの自分とはだいぶプレーの印象が違うかもしれません」

<泥臭いファイター>

 日本で鈴木を語るとき、そんな曖昧な表現が使われることが多かった。

「身長は180cmそこそこで、世界で戦うにはセンターバックでは難しい。足は遅いが、人に強く、激しく潰せる。キックは課題点」

 そんな評価は逆さまになった。 

 地元メディアは「EMPERADOR」(皇帝)という異名を鈴木へ贈っている。皇帝とはフランツ・ベッケンバウアーの代名詞である。ドイツの伝説的選手で、優雅なディフェンスで落ち着きをもたらし、精度の高いフィードで攻撃も支配した。

「鈴木はプレーがスマート。その証拠に、15試合を戦ってもイエローカードは2枚だけだった。正しいタイミングで守りに入れているのだろう。チームがリーグ戦で3位に入れたのは、鈴木の存在が大きい」

 地元紙『DIARI』のジャウマ記者は証言した。

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