「末恐ろしい10代」EURO2016に現れた、とんでもない逸材たち

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi photo by GettyImages

 チャンピオンズリーグでもプレーしたMFはファンの願い通りにEURO2016の最終メンバーにも入り、初戦に途中出場。グループ突破をかけた3節では後半開始から投入され、3-3のドローに貢献して決勝トーナメントへの切符を手にした。

  クロアチアとのラウンド16では50分から出場して延長後半終盤の決勝点につながる力強いドリブルを披露し、初先発となったポーランドとの準々決勝では1 点ビハインドの前半に目の覚めるようなミドル(プロ初ゴールも同じようなロングレンジからのシュート)を叩き込んで同点、延長後のPK戦でもきっちりと決 めてみせた。ちなみに、この2試合ではマン・オブ・ザ・マッチに選出されている。

 ウェールズとの準決勝では決定的な仕事こそなかったものの、本職ではないサイドMFで献身的に働いた。

  つまり、末恐ろしいティーンエイジャーなのである。今大会で、イングランドの18歳、マーカス・ラシュフォードに次ぐ2番目に若い選手は、そのプレースタ イルとポジション、ルックスから、「エドガー・ダービッツの再来」とも呼ばれているが、本人は同じ元オランダ代表でも、ダービッツではなくクラレンス・ セードルフを「参考にしている」と話す。

 こちらのレジェンドは16歳でプロデビューを果たし(アヤックスの最年少記録)、18歳の頃には チャンピオンズリーグを制している。この偉業には及ばないが、開幕前の5月10日に移籍金3500万ユーロでバイエルンに加入しているため、クラブでの欧 州制覇も現実的な目標となった。

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