手拍子は名物に。アイスランド敗退も、ハッピーエンドでEUROを去る (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 準々決勝は大敗で終わったが、最後までアイスランドは強烈なインパクトを残して、今大会を去った。敗れはしたが、彼らのシンデレラストーリーはハッピーエンドを迎えたと言っていいのだろう。

 最後は母国の英雄にして生ける伝説、FWエイドゥル・グジョンセンをピッチに送り、キャプテンマークを渡してプレーさせられたことも、ハッピーエンドに花を添えた。

 その証拠に、試合終了後のスタジアムは、いったいどちらが勝ったのか分からないくらいの状態になっていた。

 とても7月とは思えない、秋口を思わせるような冷たい雨が降りしきるなか、地元フランスのサポーターが足早に帰路につく一方で、数多く詰めかけたアイスランドサポーターは、そのほとんどがスタジアムから離れようとはしなかった。

 そして最後は、選手、スタッフとともに、すっかりおなじみとなった手拍子で締めくくり。伸ばした両手を頭の上で力強く叩く音が、スタジアムに鳴り響いた。

 余談ながら、このアイスランド名物とでも言うべき手拍子は、フランスでも人気を博し、かなり有名になっている。試合前には、フランスサポーターもやっていたほどだ。

 また、地下鉄の車中や駅のホームなど、アイスランドサポーターが集まるところからは必ずと言っていいほど、「オイ!」の掛け声とともに手拍子が聞こえてきて、周囲もそれを楽しげに見守っていた。

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