「決意は本物か?」メッシ代表引退宣言でアルゼンチンは大騒ぎ (2ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by MEXSPORT/AFLO

 決勝の2日前には、「決勝まで来られたので、たとえ負けても(今大会で)失敗したとはいえない」と語っていたが、それは自らをリラックスさせるためのものだったのか。本心では、勝利を渇望していたに違いない。

 アルゼンチンのファンは激しい。応援も熱いが批判も痛烈だ。期待に反するとすぐにバッシングをはじめる。

 元代表のカルロス・テベス。彼は通称"アパッチ砦"と呼ばれる、犯罪者が多く貧しい地区で生まれ育った。アルゼンチンにはそのような環境が多いため、彼にシンパシーを感じるファンは多い。幼くしてバルセロナへ渡り、逆輸入されたメッシがエリートなら、テベスはまさに雑草。そして人々から愛され親しまれるのは、メッシよりテベスである。

 そのテベスですら激しいバッシングを受け、「もう代表ではプレーしない」と宣言したことがある(後に復帰)。エリートのメッシは、ブラジルW杯直前のテストマッチ中にストレスで嘔吐するほど繊細な神経の持ち主。負ければ叩かれるという代表キャプテンの座は、彼にとって居心地のいいものでないことは確かだ。


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