次戦は難敵。ドイツの命運を握るのは「キレッキレ」のドラクスラー (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Hara Masashi

 スロバキアは後半に入ると4-3-3を採用しているにもかかわらず、ドラクスラーのようにサイドの高い位置で構える選手がいなくなり、4−2−2−2的になっていた。ドイツの右ウイング、トーマス・ミュラーにボールが出た時、スロバキアは近場に対峙する選手がいなかったため、左SBが対応に出るしかなかった。

 低い位置に構えていたSBが、仕方なく前に出ることになったのだが、ドイツはその上がったSBの裏を狙っていた。そこに計画通りボールを運び、CKを得た。相手の陣形の不備を突いた頭脳的なボール運びで、CKを奪い、それをドラクスラーのゴールにつなげたのだ。

 スロバキアがダメなのか。ドイツが優れているのか。問題は振り出しに戻るが、答えはドイツの次戦(イタリア対スペインの勝者)に出る。

 ヨアヒム・レーヴ監督は、ドラクスラーがチーム3点目のゴールを奪うと、その数分後に、彼をベンチに下げた。大勝の後に待ち受けるのが、苦戦であることを知っているからだ。大勝の象徴であるドラクスラーを、いち早くベンチに下げることで、そのムードを消そうとしたわけだ。


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