次戦は難敵。ドイツの命運を握るのは「キレッキレ」のドラクスラー (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Hara Masashi

 2014年ブラジルW杯には、20歳の若さでメンバー入りしたが、出場機会は7−1で勝利した準決勝対ブラジル戦に交代出場したのみ。ご褒美で出場させてもらった感じだが、2年後のユーロ2016では堂々のスタメンだ。身長は187センチ。だが、相手の逆を取る器用さがある。サイドアタッカー、ウイングと聞けば小柄な体格を連想するが、この選手は大きい。メッシというより、ファンペルシー、ロッベン系だ。

 所属のヴォルフスブルクは、昨季のチャンピオンズリーグ準々決勝で、優勝したレアル・マドリードと対戦。第1戦を2−0の勝利で折り返す善戦を見せた。ドラクスラーも活躍、このレベルで十分通じることを証明していた。問題はドイツ代表にはまるかどうかだったが、バッチリである。2年前にはなかった魅力が追加された。

 ドイツの3点目は、そのドラクスラーがゲットした。後半19分、クロースが蹴ったCKに、マッツ・フンメルスが頭で競り勝つと、そのこぼれがドラクスラーの目の前に落ちてきた。回し蹴り気味のボレーでゴールの天井へ豪快に突き刺す、まさにドラクスラーの日と言いたくなる華々しいゴールだった。

 とはいえ、触れたくなるのは、このコーナーキックを得るに至るプロセスだ。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る