清武弘嗣、セビージャに正式入団。サンパオリ体制で「仕事場」はどこか (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sevilla FC

 そう考えると、セビージャ清武は「天才性を披露できるトップ下」として勝負を挑むしかない。まずはヘタフェから移籍のパブロ・サラビアとのポジション争いに勝つことが先決になるだろう。英雄として退団したエデル・バネガ(現インテル)の幻影も、振り払わなければならない。

 さらに強力なライバルになりそうなのが、17歳のフランス人ビラル・ブトバだ。マルセイユから移籍のブトバは、16歳にしてビエルサに抜擢されている。繰り返すが、サンパオリは強烈なビエルサ信者である。そして最新情報によると、セビージャはニースで復活を遂げた左利きのハテム・ベン・アルファとも接触している。昨季フランスリーグアンで17得点を記録したセカンドストライカーが入団したら、チームの看板格となる。

 日本人MFは語学やリーガでのプレー経験などでハンデが大きい。清武にとって状況はかなり厳しいだろう。そもそも、ブンデスで2部に落ちたクラブとヨーロッパリーグ3連覇のセビージャでは格が違う。

 だが清武のテクニックレベルは、リーガの選手たちと比較しても遜色ない。セットプレーのキックはブンデスリーガ同様、武器になるだろう。持っている技術を出し切ることができれば、光明が見えてくるかもしれない。

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