「戦術はC・ロナウド」のポルトガル。頼みのエースは覚醒したのか (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Hara Etsuo

 ロナウドは今大会開幕のわずか10日ほど前、レアル・マドリードでチャンピオンズリーグ決勝を戦っていた。万全のコンディション調整で今大会に臨めたはずはない。一度休ませた体が再び目を覚ますには、少しばかり時間がかかったのかもしれない。

 ジャンプしながら半回転し、両手を体の脇に振り下ろすおなじみのゴールパフォーマンスも、ようやく披露された。

 残念ながら、ポルトガルにはチームとしての怖さはない。優勝候補の一角に加えるのは、あまりにも無理がある。

 しかし、ロナウドが、異次元の個人能力で勝つために必要なゴールを必要な分だけ決められるとなれば話は別だ。チームとしての総合力では、優勝候補と呼ばれる他国に劣っていても、常に一発を秘めたストライカーが最前線にいる怖さは、フランスやドイツ、あるいはイタリアやスペインにもないものだ。

 あくまでも伏兵のひとつと見なせば、強豪国にとっては厄介な存在となる。

 ロナウドはハンガリー戦でFKを4本蹴ったが、遠目からのものが多かったとはいえ、1本も決まらなかった。まだキックの当たりはよくないようだが、これがコントロールされ、30m程度の距離からでも枠をとらえるようになれば、相手チームにとってはさらなる脅威となるはずだ。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る