2016.06.21

テンションは高いが点は入らず。イングランド猛攻も実らずドロー

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 引き分け狙いの思惑が崩れそうに見えるほど、スロバキアは守った。弱者が守れば、差はより開く。第2戦のロシア戦の終盤同様、ボールを奪っても少人数で攻めるその姿は哀れだった。暗く悲しく映った。

 スタンドの大応援団をバックに、精神を高揚させてプレーするイングランド人選手が、その分だけ陽気に映った。明るくてポップ。イケイケムードで、カサに掛かって攻め立てた。

 この日は10番のウェイン・ルーニーがベンチスタート。すっかりフットワークが鈍ったエースがいない分、イングランドのサッカーにはケレン味がなかった。牽引していたのはリバプールのアダム・ララーナ。その勢いがピッチに反映されやすい仕組みになっていた。そしてそのララーナ、ジェイミー・バーディー、ジョーダン・ヘンダーソンが連続して決定機を作った。 

 スロバキアが前半を0-0で折り返すことができた理由は、ひとえにGKマトゥーシュ・コザーチクの奮闘のたまものだ。反応鋭く好セーブを連発。均衡を保った。

 とはいえ0-0の時間が長くなると、イングランドの粗(あら)も見えてくる。テンションは高いが技術的にはそれほどでもない。勢いはあるが雑。緻密ではなくアバウト。褒められない姿をもさらけ出した。