2016.06.19

豪華アタッカー陣で3-0快勝も、ベルギーを優勝候補に推せない理由

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

「自分たちのFKからカウンターで失点。最初のゴールがものすごく重要だった」

 アイルランドのオニール監督がそう振り返ったように、先制点を境に試合の流れは大きくベルギーに傾いた。

 アイルランドは初戦のスウェーデン戦で1-1の引き分けに終わり、負けが許されない。もはや攻撃に出るしかなくなり、ベルギーは手薄になった守備を突いて2点を追加した。

 一度、自分たちのペースに引き込んでしまえば、後は豪華タレントがものを言う。

 2-0にしてからは、得点がほしいアイルランドにあえてボールを持たせ、前へ引き出してから十分なスペースを生かしてカウンターを狙う。そんな攻撃が威力を発揮した。

 試合後の記者会見で、ヴィルモッツ監督は「ベルギーはカウンターのチームではないのか」と問われ、強く否定していたが、あながち的外れな指摘ではないだろう。

 ベルギーはグループリーグの2試合で、まったく異なるふたつの顔を見せた。

 ツボにはまれば大量得点を奪えるだけの破壊力と、それとは表裏一体の脆さである。

 確かに、この日のベルギーは強かった。だが、これだけの力を備えていながら、なぜイタリアにはあっさりと敗れてしまったのかを物語る要素は、快勝したアイルランド戦でも垣間見えた。