見応え十分の「0-0」。ポーランドにあってドイツにないものとは? (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Hara Etsuo

 ただし、こちらもドイツ同様に惜しまれるのは、レバンドフスキがチャンスメイクに回るケースが多く、肝心なフィニッシュの場面でゴール前にいなかったこと。69分にレバンドフスキが低い位置でボールを受けたところから生まれた、MFアルカディウシュ・ミリクの決定機などは、ふたりの役割が逆だったらどうなっていただろうか、と思わずにはいられなかった。

 結果的に、「持たざる者」は多くのチャンスを作りながら決め切れず、「持つ者」は絶対的なセンターフォワードが獅子奮迅の活躍を見せたが、やはり得点には至らなかったわけだ。

 しかし、だからと言って、スコアレスドローは退屈なゲームだったことを意味しない。「持つ者」は持っているなりに、「持たざる者」は持っていないなりに、お互いがそれぞれの特徴を生かして攻め合う試合は見応えがあった。

 ボールの奪い合いには激しさがあり、それでいて(両チームに3枚ずつのイエローカードは出たが)、ラフな印象はまったくなく、90分間衰えることのない体力と気力で真っ向勝負を挑み合う好ゲームだった。

「得点は奪えなかったが、0-0はフェアな結果。ハッピーだ」(ポーランド・ナバウカ監督)

「ポーランドはカウンターがよかったが、我々もチーム全体がよく機能していた。守備には満足している」(ドイツ・レーヴ監督)

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