見応え十分の「0-0」。ポーランドにあってドイツにないものとは? (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Hara Etsuo

 それでも、ドイツのヨアヒム・レーヴ監督が「サイドから攻めようと狙っていたが、ポーランドの守備が強く、特にセンターバックはハイボールに対しての空中戦に強かった」と相手を称えたように、最後までゴールを奪うことはできなかった。

 惜しまれるのは、チーム随一の決定力を誇るMFトーマス・ミュラーが、この試合ではラストパスを出す側に回るケースが多かったこと。チームに流動性を求める以上、当然起こりうることではあるが、運もなかった。

 一方、押される展開からのカウンターを狙うポーランドの中心には、やはりレバンドフスキがいた。王様のごとく、ただ前線に張るだけではなく、攻守によく走る姿は好感が持て頼もしかった。

 なかでも、中盤に下がってボールを受けたときのチャンスメイク能力には目を見張るものがあった。彼が中盤でボールを収めることで、チーム全体がただただ守備に追われるばかりにならずに試合を進められたことは、ドイツを無得点に封じる大きな要因となっただろう。全員がエースストライカーをサポートすべく、よくハードワークしていた結果だ。ポーランドのアダム・ナバウカ監督は語る。

「戦術的にハイレベルで、規律のあるプレーができた。選手のパフォーマンスには満足している」

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