見応え十分の「0-0」。ポーランドにあってドイツにないものとは? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Hara Etsuo

 対照的に、ドイツがうらやむラストピースを持っているのが、ポーランドである。「持つ者」ポーランドが擁するセンターフォワードとは、言うまでもなくFWロベルト・レバンドフスキのことだ。

ポーランドの大黒柱、ロベルト・レバンドフスキポーランドの大黒柱、ロベルト・レバンドフスキ 選手個々の能力を比較しても、チームとしての攻撃の構成力を比較しても、ポーランドがドイツに劣っているのは明らかだ。しかし、ポーランドにはドイツにない武器、すなわち、絶対的なセンターフォワードが備わっている。

 レバンドフスキはフィニッシュワークに優れているのはもちろんのこと、サイドに流れたり、中盤に落ちたりしながら攻撃を組み立てる能力にも長けている。まさにチームを支える大黒柱である。

 果たして、対照的な色合いを帯びる「持つ者」と「持たざる者」の対決は、今大会初となる0-0のスコアレスドロー。互いに勝ち点1ずつを分け合った。今大会はロースコアの試合が非常に多いが、そのなかでも最も得点が入らないゲームに終わった。

 基本的にゲームの主導権を握っていたのは、ドイツのほうだ。ドイツは60%を超えるポゼッション率でボールを支配し、チャンスを作り出した。特に左サイドでのMFユリアン・ドラクスラー、トニ・クロース、DFヨナス・ヘクターのコンビネーションが抜群で、何度も敵陣深くまで攻め込んだ。

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