アイスランドとまさかのドロー。ポルトガルは優勝候補に推せるか?

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 どんな弱いチームでもチャンスは1試合に2、3回、訪れる。それがサッカーだと言われるが、この日のアイスランドも例外ではなかった。3度あったチャンスの1度目は開始3分。3度目は後半41分。そして2度目となった後半5分のシーンは、この試合で最もセンセーショナルな事件になった。

 右サイドの深い位置に侵入したヨハン・グドムンドソンが切り返しを入れ、センタリングを送ると、ファーサイドでビルキル・ビャルナソンがフリーになっていた。

 アイスランドの同点ゴールが決まった瞬間だが、この時、試合時間は40分強残されており、このままのスコアでタイムアップの笛を聞く可能性は低そうに思えた。それほど両者には歴然とした差が存在していた。

 とはいえポルトガルに、思ったほど決定的チャンスは巡ってこなかった。本当に惜しいと思えるのは、GKの正面を突いたC・ロナウドのヘディングシュート(後半40分)ぐらい。バランスも、展開も上々だったにもかかわらず。

 決定力不足。従来と同じ症状に泣いたわけだが、どこまで深刻に捉えるべきか、この試合の結果だけで判断するのは難しい。ポルトガルはそれに代わるプラスの要素も持ち合わせている。

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