ブラジル敗退でメッシのヒゲは伸びる一方。大波乱のコパ・アメリカ

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by AP/AFLO

 今回、エースのネイマールは五輪に出場するためメンバーに入っていない。五輪の金メダルは、ブラジルにとって未だ手中にしたことのない悲願のタイトル。そのうえ自国開催となれば、五輪のために万全を期すのは当然のことだ。しかし、ネイマールを欠いても、開幕直前のブックメーカーによる優勝オッズでは、アルゼンチンに次ぐ2位。グループリーグの1位突破は確実視されていた。

 ドゥンガのサッカーの基本は、安全運転とチームのバランス。ボールを奪われるリスクを減らし、ジワジワと攻め込む。エクアドルとの初戦は、その慎重さゆえ安全にこだわりすぎた。仕掛けるところで仕掛けられず、気がつけば0-0で終了した。

 仕切り直しとなったハイチ戦は7-1と圧勝した。ハイチは参加国中最弱とされ、ブックメーカーがつけた優勝オッズは1000倍。「ブラジルW杯でドイツに1-7で敗れた鬱憤を、弱いハイチで晴らしたのか」と揶揄(やゆ)もされたが、得失点差争いになることも考慮し、手を緩めなかった。

 そして第3節はペルー戦。ブラジル、ペルーともに勝ち点4だが、得失点差ではブラジルがリード。勝てば1位通過、引き分ければ2位通過という状況だ。

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