「7人の黄金世代」が力を証明。ユーロ初出場のウェールズが初戦勝利 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Imeges

 選手個々のレベルでは、スロバキアもウェールズには(ベイルを除けば)見劣りしない。だからこそ、後半に入り、ある程度オープンな打ち合いになったことで、スロバキアに流れが傾いた。

 61分、スロバキアはMFロベルト・マクが長い距離をスルスルとドリブルで抜け出すと、マクからのパスを受けたMFオンドレイ・ドゥダが決めて、同点に追いついた。

 こうなると、試合はスロバキアの流れになるかに思われた。注目のベイルにしても、レアルで見るほどスーパーな選手ではない。ただ前線に張り、味方がボールをつないでくれるのを待つだけで、違いを見せつけるようなプレーはごくわずかだった。

 だが、最後の最後で勝利を引き寄せたのは、ウェールズ。試合を決めたのは“7人目”の黄金世代、FWロブソン・カヌだった。

 81分、中盤に生まれたスペースを生かし、ラムジーがドリブルで運んだボールを受けると、背番号9が左足でワンタッチシュート。ボールがゴールへ転がっていった瞬間、スタンドではとてつもない大きさの歓喜が爆発した。

 ラムジーからカヌへ。黄金世代によるホットラインだった。

 58年ぶりに、ようやくたどり着いた晴れ舞台。ウェールズはユーロデビュー戦を勝利し、幸先のいいスタートを切った。

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