「7人の黄金世代」が力を証明。ユーロ初出場のウェールズが初戦勝利 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Imeges

 10分、ベイルはゴール正面やや右の位置からFKを直接決め、ウェールズが先制。GKから見れば、決して止めるのが難しいFKではなかったが、早く動きすぎてしまったために逆を突かれる結果となった。「レアル・マドリードのベイル」という看板が、GKを焦らせたと言えるゴールだった。

 ベイルが17歳のとき、ウェールズ代表史上最年少ゴールを決めた相手がスロバキア戦(ユーロ2008予選)だったというから、巡り合わせとは不思議なものだ。

 その後も、中盤でセカンドボールを拾い、的確にサイドへボールを散らすMFアレンや、タイミングよく中盤に顔を出し、コンビネーションを作り出すラムジーらを中心に、ウェールズが主導権を握って前半を1-0で終えた。

 ウェールズが優勢に試合を進められた要因を挙げるとすれば、うまくスロバキアにボールを持たせたことだ。

 本来、ウェールズにしても、スロバキアにしても、"ボールを持つと味が出ない"チームである。

 スロバキアは今大会予選でスペインに土をつけていることからも分かるように、相手にボールを持たせておいて、MFマレク・ハムシク、ヴラディミール・ヴァイスら、テクニックのある選手を生かしたカウンターを仕掛ける。そんな戦い方をしてこそ、怖さが生まれる。

 ところが、この試合の前半ではボールを持たされ、DFラインから中盤にボールを入れようと、モタモタとつないでいるところを狙われ、カウンターを受けていた。

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