「目利き」のセビージャに見初められた清武弘嗣は、リーガで活躍できるか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 言い換えれば、「ひとつの時代が終わったセビージャ」に清武は入団するわけだ。

「清武はトップ下、もしくはサイドでプレーすることになるだろう。キックの質が高く、セットプレーの精度は高い」

 スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』がそう報じているように、トップ下、もしくはサイドMFのポジションを争う公算が大きいだろう。では、清武はセビージャで活躍できるのか?

 一つの基準は、インテルに移籍するアルゼンチン代表MFエデル・バネガの空席を埋められるかどうかになる。バネガはエメリ監督のもとで、チーム躍進の心臓のような選手だった。セビージャの攻撃を長短のパスで牽引し、トップ下で違いを作り出していた。

 もっともセビージャは、ヘタフェのトップ下、サラビアの獲得をすでに発表している。清武はまず、サラビアとの競争に勝たなければならない。もう1人、ビセンテ・イボーラも空中戦に強いトップ下の選手で、セビージャでのプレーは長い。清武はリーガでの経験がなく、言葉などに問題のある外国人だけに、3番手からのスタートになるだろう。

 サイドMFとしてはどうか。セビージャにはビトーロ、コケ、イェウヘン・コノプリャンカ、ミカエル・クローンデーリーら、各国代表クラスの実力者たちが在籍する。新参者の清武は、ここでも5番手スタートが現実的か。

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