レベルはW杯以上。宮本恒靖のユーロ2016注目国は「オーストリア」

  • 佐藤俊●構成 text by Sato Shun

 オーストリアは、2007年U-20W杯で2位になった時のメンバーが主力になってきています。そのメンバーとともに若手のダビド・アラバ、ベテランのマルク・ヤンコが融合して、すごくいいチームになった。予選では失点5で非常に守備が堅く、DFの中心であるアレクサンダル・ドラゴビッチの存在がすごく大きい。

 また、ボランチのシュテファン・イルザンカーは私がザルツブルクにいた時のGKコーチの息子で、17歳の頃から知っています。当時からいい選手でした。総じてチーム全体のバランスが取れているので、オーストリアには期待したいですね。

 個人的に気になるチームは、初出場のアイスランドです。予選ではオランダ、チェコ、トルコと同組の厳しいグループリーグで堂々とした戦いを見せて2位通過。もちろん、予選後のテストマッチの結果はあまり芳しくないですし、経験がないというのは不利な要素ではあります。それでも、初戦でポルトガル相手に番狂わせを演じることができれば「オレたちもやれる」という勢いがつき、予選時のような波乱を起こすことは十分可能だと思います。

 さらに、この2チームにも触れておかなければなりません。ユーロ3連覇がかかるスペインとFIFAランキング2位のベルギーです。ブックメーカーなどのオッズではともに優勝の確率は高いですが、個人的にはどちらも優勝は難しい気がしています。

 スペインは前回ユーロで優勝し、ブラジルW杯での活躍も期待されましたがグループリーグで1勝もできずに敗退しました。そのショックはもうないと思いますが、今季チェルシーで不調だったFWジエゴ・コスタが落選するなど、得点力不足が解消されていないですし、若手の伸び悩みもある。チームとして下り坂ではありませんが、停滞気味。3連覇には手が届かないのではないかと思います。

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