レベルはW杯以上。宮本恒靖のユーロ2016注目国は「オーストリア」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●構成 text by Sato Shun

 また、データを紐解くと過去、W杯を制した後、続くユーロを制したチームがふたつあります。98年フランスW杯を勝って2000年のユーロを制したフランスと、2010年南アフリカW杯で優勝し、前回ユーロを勝ったスペインです。今回のドイツは過去の優勝国と同じような流れで来ています。間違いなく今大会の優勝候補の筆頭です。

 フランスは、自国開催という大きなアドバンテージがあります。それを活かせるかどうかがポイントになりますが、そのフランスでキーになる選手がアントニー・マルシャルとアントワーヌ・グリーズマンです。

 マルシャルは弱冠20歳で左サイドが得意のアンリ2世とも言われているマンチェスター・ユナイテッド期待の新星FW。また、グリーズマンは、アトレティコ・マドリードでの取材で会ったことがあるんですが、身長は170センチくらいで、華奢だけど高い技術とスピードが持ち味。スペインでは、メッシやネイマール、スアレスの次のレベルに位置する選手になってきていますし、日本人選手にはぜひお手本にしてほしいFWです。彼らふたりが活躍して勢いに乗れば、自国開催のフランスが優勝する可能性がグンと高まると思います。

 ダークホースは、イングランドとオーストリアです。

 イングランドは予選で負けなしですし、3月にテストマッチでドイツに勝った試合を見たときに、印象がさらに良くなりました。デル・アリやハリー・ケインら若手が活躍して、この先、明るいなと思います。それに岡崎慎司のチ-ムメイトでレスター優勝に大きく貢献したジェイミー・バーディーら、調子のいい選手がいる。最終ラインを含めた守備に不安はありますが、ウェイン・ルーニーが控えに回るぐらいになるとイングランドが快進撃を起こしても驚きはないですね。

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