【EURO】若返りにも成功した世界王者ドイツに「2つの不安材料」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 つまり、ドイツにとっては自分たちの攻撃性と技術に溺れないことが重要なのだ。だが23人中10人がMFというメンバー編成から見ても、テクニシャン重視、中盤重視の傾向は否めない。その分、いわゆるストライカーは層が薄い。大型ポストプレーヤータイプのFWはゴメスのみ。これまで代表ではあまり高い評価を得ていないゴメスだが、その意味で、彼がオプションとして機能するかどうかが勝敗のカギを握ることになるかもしれない。

 もうひとつの課題はリーダーシップにある。ブラジルW杯で代表を引退したフィリップ・ラームに代わり、今回はバスティアン・シュバインシュタイガー(マンチェスター・ユナイテッド)がキャプテンを務めることになる。

常に冷静で人格者と言われたラームに対し、シュバインシュタイガーには若干お調子者のところがあり、チームメイトのPKを直視できず目を覆ってしまうような感情的なタイプである。そんな彼が短期決戦の本番でどのようにしてチームをまとめあげるのか。新主将は懸念材料のようでもあり、期待されるところでもある。

 グループリーグをウクライナ、ポーランド、北アイルランドと戦うドイツ。予選ではポーランドに敗れているが、グループCの首位通過はまず間違いないだろう。ドイツにとって真価を問われる本番は決勝トーナメントに入ってからとなる。
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