タラゴナ鈴木大輔、1部昇格プレーオフへ。「ヒリヒリした感じを楽しむ」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 それだけに、情念が渦巻くようなゲームになった。

「いつも通りプレーします」

 そう語っていた鈴木は、緊張度の高い試合に強気で臨んでいた。センターバックとして先発ポジションをつかんでから8試合無敗、失点わずか4。確実な手応えと自信があった。

 アスレティック・ビルバオで活躍したFWトケーロとのマッチアップの場面が多くなったが、鈴木は完全に動きを封じた。空中戦で競り勝ち、ポストプレーを崩し、裏に抜けるスペースに走ってパスをカットする。トケーロが鈴木を嫌がり、逆サイドに逃げる機会が多くなるほどだった。鈴木はディフェンスリーダーとして振る舞い、ラインをコントロールしながら、裏に蹴るボールの質も高く、攻撃もバックアップした。

 翌日の『as』紙は4点満点の4点をつけている。

「アラベスの圧力はあまり感じませんでした。ナスティックは(前所属の柏)レイソルと違って、ギャップに入ってくる選手はいないし、サポートもないんです。でも、裏に対してはすごくいい走りをしてくれるんですよ。だから、一つ飛ばして前に蹴るようにしています」

 鈴木はスペインの水にもすっかり慣れていた。

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