EURO2016開幕目前、恐るべき「ドイツの呪い」を知っているか (2ページ目)

  • 宝田雅樹/National Football Teams-Results●文&データ text&data by Takarada Masaki/National Football Teams-Results

 確かに、ドイツはシード国として大会に臨むことが多く、グループリーグでいきなり優勝候補と同居するケースは少ない。とはいえ、2次リーグでは勝ち上がってきた強豪と否応なく同組となる。また、初期のEUROやコンフェデでは、出場チームが8チームと少数のため、優勝候補同士が一緒のグループに入ることは頻繁にある。それでも、ドイツとリーグ戦で同じ組に入った国はことごとく覇権を手にすることができていない。

 例えば、W杯の優勝回数(計4回)ではドイツと肩を並べるイタリアと同組となった場合はどうか。1978年と1986年のW杯でアルゼンチンが、EUROでは1996年のドイツ、2012年のスペインがそれぞれ優勝を飾っている。さらに、コンフェデにおいては、イタリアが出場した2大会、2009年、2013年はともにグループリーグで同組だったブラジルがいずれも優勝している。

 このことからも、ドイツとグループリーグで同組となった場合、優勝を収めたチームが「0」というのは、いかに特殊なことか、ご理解いただけるのではないだろうか。

 もちろん、この"呪い"を解く寸前まで迫ったチームはいくつもある。"呪い"の原点となった1954年W杯のハンガリーをはじめ、1972年五輪のハンガリー、1978年W杯のオランダ、EURO1984のスペイン、1984年五輪のブラジル、EURO1996のチェコ、1999年コンフェデのブラジル、そして2005年コンフェデのアルゼンチンは、頂点まであと一歩というところまで迫っている。が、最終的にはグループリーグでドイツと同居したことによって(?)、涙を飲んでいる。

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