【EURO】参加国最年少のイングランド。切り札は18歳の彗星FW (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 こうして迎える今回の欧州選手権──。「新時代の幕開け」であることを、ロイ・ホジソン監督も強調する。

「40キャップを超える選手は、4名しかいない。さらに、初めて国際主要大会のピッチに立つ者もいる。これまでの代表に比べると、『経験が足りない』との見方はでき、その意味では2年前のブラジルW杯のメンバーとも異なる。つまり今、我われは前へ踏み出さなければいけないときなんだ」

 変革期につきものである苦戦は、ユーロ予選では無縁だった。プレミアリーグで調子のいい選手を随時起用し、終わってみれば10戦10勝の全勝。スイスとスロベニア、エストニアといった組みやすい相手と同居したアドバンテージはあったが、内訳を見ると31得点・3失点で、文句のつけようのない予選突破だった。

 この間、プレミアリーグで台頭してきたのが、FWジェイミー・バーディーやケイン、デル・アリといった新戦力。彼らが加わったことで、予選開始時に比べるとチーム力も選手層も大きく伸び、追い風に乗って決戦の地・フランスに乗り込めるのはプラス材料だ。

 現在のイングランド代表が志向するスタイルは、ハードワークを軸にした縦へ速いサッカーである。もともとホジソン監督はポゼッション重視のつなぐサッカーを目指していたが、手持ちの選手構成から徐々に速攻型のスピーディーなサッカーへとシフトチェンジしていった。フランスでは、勢いに乗っていかに相手を押し込めるかがポイントになる。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る