優勝オッズ1位の開催国フランス。中盤には欧州屈指のスーパーコンビ (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi photo by Panoramic/AFLO

 そんな優勝候補フランスの強みとなっているのが、4-3-3の中盤を構成する逆トライアングルである。

 とりわけこのチームの屋台骨となっているのは、アンカーポジションのヨアン・キャバイエ(クリスタルパレス)の左右を固めるブレイズ・マテュイディ(パリ・サンジェルマン)とポール・ポグバ(ユベントス)という欧州屈指のミッドフィルダー2人の存在だ。

 運動量が豊富でプレーエリアが広く、ボールも奪えてゴールも決められるというスーパーコンビは、デシャンのサッカーを具現化するための不可欠なピース。同時に、パス供給やミドルシュートを得意とするオフェンシブなキャバイエを中盤の底に配置できる背景となっている。これこそが、フランスが他とは一線を画すテクニカルかつダイナミックなチームキャラクターを実現させた最大の要因だ。

 石橋を叩いて渡るデシャンは、守備的に戦う局面に備えてベテランのラサナ・ディアラ(マルセイユ)をアンカー起用する腹づもりだったが、この戦法はディアラが大会直前の故障でチームから離脱したために選択肢から消滅。しかしながら、レスターのプレミア制覇の原動力となったエンゴロ・カンテが彗星のごとく登場したことで、ディアラの離脱はそれほど大きな問題にはなりそうもない。むしろ、若いカンテをマテュイディとポグバの控えとしてベンチに置くより、スタメンに抜擢するほうがチームに勢いを与える可能性は高い。

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