EURO3連覇を目指すスペイン。圧倒的な層の厚さも、守備陣にスキあり (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AP/AFLO

 2014年ブラジルW杯、デルボスケのスペイン代表は連覇を期待されながら、グループリーグで早々と散った。指揮官は、ジエゴ・コスタという縦に速く、強いFWを組み入れ、自慢のパスワークに化学反応を起こそうとした。しかしジエゴ・コスタは孤立し、攻撃は一向に機能しなかった。フットボールは野生の生き物のようなものであり、簡単には飼い慣らせない。

 W杯で惨敗後、指揮官はチーム改革を余儀なくされている。シャビ・エルナンデス、シャビ・アロンソの2人が代表を引退。エースFWダビド・ビジャに代わる点取り屋を探すことも急務になった。

 ただ、どれも難しい作業ではなかったと言える。

 中盤にはアンドレス・イニエスタ、セルジ・ブスケッツ(ともにバルセロナ)の2人が健在で、コケ(アトレティコ・マドリード)、ブルーノ・ソリアーノ(ビジャレアル)は強力な控えとなっている。FWにもスペイン人得点王のアリツ・アドゥリス(ビルバオ)、ユベントスで二冠を勝ち取ったアルバロ・モラタという二枚看板が揃った。ボスニア戦で得点を挙げたペドロ(チェルシー)、ノリート(セルタ)の2人は左サイドで"隠れ9番"の役割を担っている。

 あえて不安要素を挙げるなら守備陣だろうか。

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