ジダンのレアルにCL連覇はあるか。欧州「4強クラブ」の今季と来季 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 サッカーは運が結果に及ぼす割合が3割あるとされる。単年の勝利には、敗者にタラレバ話で嫌みを言われそうな余地を残すが、2連覇となるとそれはない。文句なし。真の王者になる。アリゴ・サッキに率いられた当時のミランが、そんな感じだった。プレッシング・サッカーという遺産を現代にもたらすことになるスーパーチーム。その域にバルサが迫れるかが今季の焦点だった。

 バルサは、欧州サッカー史にスーパーチームとして名を残すことができなかった。準々決勝で、クラブの年間予算わずか1億5000万ユーロ(約190億円)のアトレティコに、その倍以上の予算を誇るチームが、模範的なサッカーを披露され、敗れ去る姿は醜態に近いものがあった。そうした意味で、今季のバルサは敗者だった。

 そのアトレティコに準決勝で敗れたバイエルン。こちらはバルサほど格好悪くはなかった。バイエルンにとってもアトレティコは格下。勝つべきはバイエルンだったにもかかわらず敗れた。とはいえ、バイエルンのサッカーには、嘆くべき要素が少なかった。悪くないサッカーをしていながらバイエルンは敗れた。バルサの体たらくを嘆きたくなったそのアトレティコ戦とは、まるで異なる内容だった。

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