続くユベントス一強時代。ミラン、インテルはこうしてダメになった (4ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko photo by Getty Images

 しかしこれは効率的ではあるが、一歩間違うと危険な戦い方だった。いくら相手を無得点に抑えても、攻撃がうまくいかなければ勝つことはできないし、守備で失敗すれば敗れてしまう。実際年末になると取りこぼしが目立つようになってくる。

 そこでマンチーニは攻撃力の強化に出たが、そのために今度は攻守のバランスが崩れてしまった。シーズン前半はどこよりも首位である期間が長かったのに、後半には見る影もなく自滅。4位となりどうにかヨーロッパリーグ出場権は手に入れたものの、その実力には見合わない結果となってしまった。

 どのチームよりもがっかりさせられたのは、やはりミランだろう。財政難のミランはここ数年レンタルや移籍金0の選手ばかりを集めてきたが、チームの株譲渡を視野に入れて、今シーズンは久々に9000万ユーロ(約120億円)もの資金を補強に投入した。監督も新人などではなく、昨シーズンまでサンプドリアで実績をあげてきたシニシャ・ミハイロビッチとあって、期待が持てた。

 だが、結果的には目標であるチャンピオンズリーグ出場権どころか、確実と思われていたヨーロッパリーグ出場権まで逃してしまった。

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