続くユベントス一強時代。ミラン、インテルはこうしてダメになった

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko photo by Getty Images

 ユベントスを一番苦しめたのは2位となったナポリだった。今シーズンよりベンチを任されたマウリツィオ・サッリ監督にビッグチームを率いた経験はなく、開幕当初は懐疑的な声も多く聞かれた。しかし選手の特色を生かしたチーム作りをし、特にゴールゲッター、ゴンサロ・イグアインを本能のおもむくままプレーさせ、35試合で36ゴールというすばらしい結果を出させた。

 しかしナポリの弱点は、ここ一番という大事な試合を落とす癖だった。特に勝ち点差を広げるチャンスである上位チームとの直接対決に弱く、シーズン終盤のローマ戦で敗れてしまったことが、ユベントスにスクデットを贈る結果となった。

 さて、本来ならばユベントスの連覇を食い止めなければいけない最先鋒のミラノの2チームだが、こちらは相変わらずの不調が続く。

 ロベルト・マンチーニ監督の構想のもとでチーム作りをしたインテルは、赤字覚悟で11人もの選手を獲得した。シーズン前半インテルは首位を走り、一時期はスクデットも期待された。インテルがとったのは、対戦相手に自分たちのサッカーをさせない戦法だった。敵を無得点に抑え、どこかでゴールチャンスを得て勝利する。そのためインテルのスコアは軒並み1-0が続き、「ウノ・ア・ゼロ(1-0)」は今シーズンのインテルの代名詞ともなった。

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