続くユベントス一強時代。ミラン、インテルはこうしてダメになった (2ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko photo by Getty Images

 そう、本来ならば確かにユベントス時代は終わっていただろう。10節でトップから12ポイントの差がついてしまっていれば、それを巻き返すのは、まず不可能に近い。これまでユベントスをどうしても越えられなかったライバルチームたちに、スクデットを手にする大きなチャンスが与えられたわけだ。

 しかし――ライバルたちは誰もそのスキにつけ込むことはできなかった。

 アンチ・ユベントスとして今シーズン一番期待されていたのはローマだった。ローマは昨年、一昨年と常に2位につけている。ロマニスタは熱いことで有名だが、2年のお預けを食ったあとの「今年こそは」という思いはとても強かった。しかし強すぎるがゆえに、結果が出ているときはいいが、少しでも失敗すると痛烈な批判を浴びることになる。

 その期待とプレッシャーが監督のリュディ・ガルシアを追い詰めてしまった。チーム幹部からも見捨てられ、ついには解任。相変わらずの内部のごたごたは、確実にチームの力を削ぎ落としていった。ただ、後任が、ローマという特殊なチームを知っているルチアーノ・スパレッティだったことは幸運だった。おかげで、ユベントスには追いつけなかったものの、大きく順位を下げることもなかった。

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