心を鬼にした長谷部誠、フランクフルト1部残留も、古巣を破って複雑 (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

「素直にほかの選手みたいに喜べないというか……ニュルンベルクを出てから心の中にはずっと残っているものはあったので。ただ、試合にその気持ちを出すというのはプロとしてあってはならないことだし、この2試合はフランクフルトのために戦いましたけど、終わってこういう結果になった今は、少なからず思うところはあります」

 ニュルンベルクは、かつて長谷部がヴォルフスブルクで出場機会を失っていた中でオファーをもらい、ケガでほとんど貢献することができないまま降格し、離れることになってしまったクラブだ。当時のチームメイトはほとんどいなくなっているが、古巣への想いは長谷部の中から消えていなかった。そんなクラブから1部最後の椅子を守り抜いたことで、長谷部は感傷的な気分になり、素直に残留を喜ぶことができなかったようだ。

 フランクフルトには試合後にもう一つ喜ばしいニュースが届いた。入れ替えプレーオフ第1戦前に腫瘍が見つかり、この試合は累積警告で出場停止になっていたマルコ・ルスの、1日予定を早めて行なわれた手術が無事に終わったことが報告されたのだ。フランクフルトにとって、入れ替え戦はドラマチックな結末となった。

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