主役はメッシではなくスアレス。バルサ優勝の今季リーガで起きたこと

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 だがそれ以上に、クラシコから3連敗して泥沼にはまりかけたチームを再び浮上させる最高のパフォーマンスをスアレスは見せた。リーガ史上初の2試合連続4得点を含む、シーズン終盤5試合で14得点を決めた決定力と勝負強さは、ルイス・エンリケのチームに欠くことができなかった。

 また、メッシが欠場した7節から11節の間も4試合で5ゴールを決め、その穴をしっかりと埋めている。バルセロナが勝者のチームたることを証明し続けた立役者の1人であり、バロンドールの最終候補3人にノミネートされてもおかしくないシーズンを過ごした。

 勝ち点差1で2位に終わったレアル・マドリード。勝負の世界に"たられば"は禁句だが、シーズン序盤、クリスティアーノ・ロナウドが100%のコンディションでなかったことが大きく響いた。

 チャンピオンズリーグでは11試合中7試合で得点。そしてリーガでも、後半戦は16試合中10試合で得点を挙げた。だが前半戦のゴールは18試合中8試合。1試合平均1得点を決めてきた怪物が眠っていたことは、指揮官ラファ・ベニテスにとっての誤算だったろう。

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