さらばハノーファー。酒井宏樹が語った降格チームへの思いとこれから (5ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

「本当にいろいろな人に助けてもらいましたね、ドイツ人も含めて。そこまでスーパーな選手じゃない自分がここまで試合にいっぱい出られて、代表にも入って、次のチームからも興味を持ってもらっている。幸せなことですし、これで日本に帰っちゃダメだなって思います。せっかくここでプレーできているんだから。

 僕より全然能力が高い人でもこっち(欧州)でプレーできないとか、移籍して来られない人もいるだろうし。僕はうまいからこっちでできているわけじゃないですし、メンタルの強さやチームの中に入っていけるかというのが大事だと思います。こっちでやってるからいい選手とか、日本でやってるからいい選手ではないとか、そういうことは全くなくて、僕は単純にこっちが好きなので、できるならばこっちでずっとやっていたいな、と」

 これから酒井はどこへ向かうのだろうか? チャンピオンズリーグやELを戦うチームが、「そういうのを目指して日本から出てきた」という酒井にとって第一希望であるのは間違いない。タイトルを狙うのであればドイツを飛び出すのもひとつの選択肢だ。近年は、バイエルンの圧倒的な強さで、タイトルレースに面白みがないことを理由にブンデスを離れる選手も少なくない。

「移籍金ゼロだからブンデスを離れるというのはかなり考えています。ブンデスはもう……という感じで。もちろん何があるかわからないですけど」

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