さらばハノーファー。酒井宏樹が語った降格チームへの思いとこれから (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 今季終了後、契約満了となる酒井は4年間在籍したハノーファーを去る。ハノーファーから契約延長の申し出はあるが、来季2部で戦うことになるクラブも、酒井の希望が他クラブへの移籍にあることは理解している。ブンデスリーガ1部で実績を残し、移籍金なしで獲得できる酒井のもとにはいくつもの打診が届いている状況だ。

 酒井のハノーファーでのラストシーズンは、ひと足早く終わりを迎えていた。3カ月ほど前から太ももの裏に違和感があったが、残留の可能性が残っているあいだは全力で戦ってきた。しかし、チームの降格が決まると無理してプレーをする必要がなくなり、監督からは出場を求められたが、クラブも無理はさせられなかった。

「長かったですね。カップ戦とヨーロッパリーグも入れて100試合以上に出させてもらって、最初のクラブがここでよかったと思います。何回も苦しい戦いをしてきましたけど、それも含めてよかったと思えるのは自分にとっていいことだと思いますし、4年間戦ったうえで契約延長のオファーをもらえたことはすごくうれしかったです」

 リーグ戦102試合に出場したハノーファーでの4年間を、酒井はそう振り返った。ロンドン五輪直後の12~13シーズンに加入。初年度はなかなか出場機会を得られなかったが、ヨーロッパリーグ(EL)を経験した。そして2シーズン目からはレギュラーに定着し、以降は主力選手として戦ってきた。

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