ミラン本田圭佑は「鳥なき里のコウモリ」。番記者が去就を語る (2ページ目)

  • 宮崎隆司●取材・構成 text by Miyazaki Takashi photo by Getty Images

 これは確たる裏を示せない類の話なので選手の実名は言えない。足が痛いと言い出したその選手が、本田がレギュラー組ではないことに抗議の意を示したのか、それとも、単に本田に代わる選手のスタメン起用そのものに異議を唱えたのか、どちらが真の理由なのかは分からない。また、ブロッキの監督就任と、それにともなう戦術変更や選手起用に賛同できないもうひとりの主力選手は、このところコンディション不良を理由に戦列から離れている。

――今季の本田が見せたプレーの評価は?

 守備への小さくない貢献があったのは事実。だが、サイドハーフとしてプレーするのであれば、本来のポジションではないとはいえ、監督の指示に応えるのがプロとしての責務だろう。中盤の選手が自陣での守備に戻るのは当たり前のことであって、ことさら強調されるべき話ではない。

 本田の守備を語るのであれば、強調されるべきは本田が2年半前とは比べ物にならないほど戦術理解を深めたということ。プレミア、あるいはブンデスリーガの中位クラブであれば、今の本田は相当の活躍ができるはずだ。

――本田がスタメンに復帰したヴェローナ戦(第35節)で、後半に本田がハンド。自陣エリアのすぐ近くで敵にFKを与え、それを決められたミランは痛い敗戦を喫してしまいました。

 相手がクロスを入れてくるのを見ていながら、手を体から離すなどあり得ないのだから、確かに擁護しようがない。

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