トルコでリセットした細貝萌。「また違う文化の国でサッカーをしたい」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 悔しいのではないかと聞いてみた。

「悔しいというより、今は羨ましい、かな。もちろん代表を目指してないわけではなくて、当然、行きたい。日本の最強チームだから、そんなところでプレーできる喜びは他にないし。でも、まずそれよりは、自分の所属してるチームでの充実感だったり、ライフスタイルの問題だったり、自分の所属してるチームのサポーターに応援してもらえることとかが重要。強がってると言われるかもしれないけど、強がってたら(日本で注目度の低い)トルコに来てないですしね」

 取材の数日後、トルコのアンカラやイスタンブールで頻発している自爆テロがブルサでも起きた。「治安がいい」と聞かされていたブルサだったが、細貝にとっては次のステップを現実的に選択するきっかけにもなるだろう。

「チャンピオンズリーグにはやっぱり出たい。ヨーロッパに来たのって、それに出たかったのがあるので。でも自分としては、新たな環境にチャレンジしてみたいっていう気持ちが強いですね。年齢も年齢で、選手としての時間が短くなってきた中で、できればトルコ語でもドイツ語でもなく、ドイツ、トルコ、日本とは文化の違う国に行ってみたいな、と。選手生活が終わってから行けばいいじゃん、という話なんだけど、でもそこでサッカー選手として生活してみたいな、という気持ちは強いです」

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