デカくなった岡崎慎司。成功のために考えたプレミア仕様の肉体改造 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 今季は5ゴールで、FWとして物足りない数字に終わっていることへの不満がこうした思いにさせたのかもしれないが、ひとつだけ間違いなく言えるのは、その目は最終節のチェルシー戦、そして来季に向けられていることだ。リーグ制覇も、次のステップのための第一歩。向上心の強い岡崎らしく、すでに頭を切り替えていた。実際、優勝が決定した翌日、つまりエバートン戦の前にも次のように話している。

「どうやったらプレミアで活躍できるかの答えは出ているので、結果を出して(その答えを)確信に変えたい。答えとは? 献身的と言われているが、そういう動きをするほうが、自分のチャンスが増えている。たとえば、バーディーのように、自分がマインツでやっていた(1トップの)プレーをこのチームでやったとしたら、試合には出られるかもしれないけど、ゴールチャンスはないと思う。今のようなハードに戦えている部分があるからこそ、チャンスが増えている手応えがある」

「献身性」と「ゴール」――。今季は、この相反するふたつの言葉に揺れた1年であった。英メディアを中心に岡崎への評価は、「献身性」や「ハードワーク」に向けられているが、本人はあくまでも、「ゴールにこだわりたい」と何度も口にしている。

 ならば、最前線に陣取ってひたすらラストパスを呼び込めばいい――となるかもしれないが、実際はそうもいかない。屈強かつ俊敏性も高いプレミアのDFと対峙するには、「身体の強さ」と「スピード」というふたつ理由から真っ向勝負が難しい。

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