フランクフルト長谷部誠が3連勝で降格圏脱出。香川相手に見せた執念 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 相手の分析も行なったというが、蓋を開けてみると予想に反してドルトムントは2トップ。試合中もシステムを変えながら、前に人数をかけ得点を狙ってくるドルトムントを、ひたすらゴール前に人数をかけることで守りきった。得点は14分。よく練習しているというショートコーナーからだった。コーナーキックを受けた長谷部が縦に仕掛け、入れたクロスをシュテファン・アイグナーが決めた。

 面白かったのはこの得点直後だ。味方の喜びの輪に、長谷部はボールを手にして参加しようとした。これにイラついたドルトムントのオーバメヤンは、タックルでボールを奪おうとしてイエローカードに。試合再開を遅らせただけでなく、相手の神経を逆なでする、長谷部の勝利への執念が見え隠れしたシーンだった。

「綺麗なサッカーじゃなかったですけど、プラン通りの戦いで結果も出たという意味では非常によかったんじゃないかと思います。(ひたすらボールを回されて)いやー、もうしんどいですけどね。やっていても楽しくないといえば全然楽しくないサッカーですし、とにかくボールに触る回数もほとんどなかった。その中で、横にスライドする動きとか前に出る動きとか、後ろに下がる動きとかをとにかく繰り返す、それだけのすごく地味なプレーをやらなければいけなかったので。ただ、こういう残留争いというのは、そういうことをやって勝っていかないと、残っていけないのかなと感じてはいます」

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